2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 善道 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 在賢 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アクセント / 江原道方言 / 韓国語 |
Research Abstract |
研究期間(2009.6.5から2009.10.5まで)で、朝鮮半島中央部の江原道方言を調査し、音韻論的解釈を行い、その結果を「日本音声学会」(九州大学)で報告した。この方言は、従来、無アクセント方言として報告されてきたので、本研究の意義は大きい。具体的には、以下の通りである。 韓国では,首都のソウルを中心とする地域では,すでにアクセントの弁別は失われたか,あるいはほとんど失われているという状況で,東部と南部に,古い時代のアクセントの状況を解明する手がかりを与えうるような方言が残っていると言える。 韓国語江原道方言は,ほとんどの地域が標準語ソウル方言と同様,弁別性のないアクセントとされてきた。しかし筆者の調査では,江原道方言にも実際には四型アクセントをはじめ,三型アクセントと二型アクセントが広く分布していること,及び,慶尚道方言・咸鏡道方言と規則的な対応関係にあることが明らかになった。つまり,江原道方言におけるアクセントタイプの分布図は大幅に修正された。とりわけ,江原道方言の三型アクセント・二型アクセントの成立を,平昌郡と旌善郡の六地点を通じて考察した結果,江原道方言の三型アクセントから二型アクセシトへの移行過程では,下降の遅れと型の統合という二つの変化が起こったことが推定された。
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Research Products
(1 results)