2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤井 実 大阪大学, 経済学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DONZE Pierre-YvesJoseph 大阪大学, 経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 軽機械 / 時計 / 光学機器 / 工作機械 / スイス / 研究組合 / 共同研究 / 大量生産 |
Research Abstract |
軽機械の輸出市場は多くの輸出品とは異なり、アジア市場というよりもどちらかといえばアメリカ市場であり、アメリカ市場での厳しい競争に勝ち抜いた日本製品は続いてヨーロッパ市場に参入し、光学機器の本場であるドイツ市場などでも一定の地歩を占めるに至った。またクォーツ時計の登場によって日本製時計は世界市場をいったん席巻するが、その後はスイスメーカーのブランド戦略、高級化戦略が奏功し、日本企業は後退を余儀なくされた。こうしたダイナミックな動きを示す軽機械工業・企業のあり方を比較経済史の観点から考察し、各国の当該産業の特質、各国政府の産業政策の特徴、各企業の経営戦略などを詳細に検討した。 ピエール=イブ・ドンゼ氏はスイスの時計産業がユニークな産業集積を構成する中小企業によって支えられていたことを明らかにし、さらに日本の時計メーカーの成長にとって高性能の設備工作機械が不可欠であり、その国産化の困難に満ちた過程を詳細に明らかにした。一方、澤井は、カメラ、双眼鏡などを含む光学機器の研究開発において、研究組合法による光学工業技術研究組合が大きな役割を果たしたことを明らかにした。戦後の日本では、巨大な企業内研究所を誇るアメリカの研究開発のあり方は羨望の的ではあっても、戦後復興期の日本企業に導入するための資金的・人的余裕はなく、むしろイギリスで発達していた研究組合(Research Association)方式による共同研究開発が注目された。また日本の時計産業は大量生産のシステムをアメリカから学ぶ一方で、高精度の設備機械はスイスから学び、その成果を統合することで国際競争力を高めていった。
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