2010 Fiscal Year Annual Research Report
将来の巨大地震のアスペリティーの位置把握と津波警報システム改善に向けた手法開発
Project/Area Number |
09F09021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷岡 勇市郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHIMIRE Subesh 北海道大学, 大学院・理学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | プレート境界巨大地震 / 応力テンソルインバージョン / 千島海溝沈みこみ帯 / 2003年十勝沖地震 |
Research Abstract |
北海道太平洋沿岸ではM8クラスの海溝型巨大地震が度々発生してきた。将来発生する巨大地震の破壊域を把握するためには、プレート境界周辺での現在の応力状態を推定する必要がある。 本研究では昨年度に引き続き6000個を超える地震メカニズム解を用いた応力テンソルインバージョンによりプレート境界の応力分布を推定した。まずそれぞれのエリアで最大主応力軸とプレート境界に垂直な軸とのなす角(θ)の分布を調べた。その結果、過去の巨大地震の破壊域ではθは40度から50度の間になっていることが分かった。これは、過去の巨大地震の破壊域は周りに比べて強度が強いことを示す。さらに、静水圧での摩擦係数を推定したところμ=0.4-0.6であることが分かった。これらの値は実験で推定されている摩擦係数と良く一致している。これもやはりプレート境界の強度が強いことを示していると思われる。 本年度はさらに2003年十勝沖地震の発生が回りの応力状態に及ぼした影響も評価した。その結果、震源地近傍の応力状態には当然影響を及ぼしたものの、日本海溝側や根室側の応力状態の変化は大きくないことが分かった。さらに2003年十勝沖地震のような大地震の発生には断層にある水の存在が大きいことが分かった。本年度はさらに断層モデルからひずみ地震動を計算するプログラムを取得し、手法の理解に努めた。
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Research Products
(3 results)