2009 Fiscal Year Annual Research Report
高密度観測とシミュレーションによる次世代強震動予測
Project/Area Number |
09F09022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHASEMI Hadi 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 距離減衰式 / 強震記録 / データベース / 強震動予測 / シミュレーション / 地震工学 / 地盤増幅特性 / 四川地震 |
Research Abstract |
本研究課題では、高密度観測とシミュレーションに基づく次世代強震動予測を目的として、高密度強震観測記録データベースを構築し、強震動をマグニチュードや断層からの距離をパラメータとして経験的に予測する距離減衰式を導出するための研究を行った。この導出では、観測記録の質と量が研究成果に大きな影響を与える。しかしながら地震危険度解析上、重要となる大地震の断層近傍の観測記録は、未だ十分に得られているとは言えない。地震被害を引き起こす地震動の空間分布は、震源の複雑さ、放射特性、観測点の地盤特性によって大きなばらつきを有する。そのため、シミュレーション結果が観測記録に基づいて実証されれば、断層近傍の観測記録を補うことができ、物理的モデルを反映した高精度な次世代強震動予測モデルの導出が可能となる。 初年度は、高密度観測に基づく距離減衰式導出のため、強震観測記録を収集してデータベースを構築した。同時に観測点の情報および震源のカタログを準備し、代表的な地震の断層のモデル化を行った。また、多大な被害をもたらした2008年中国・Wenchuan地震を例に、統計的手法により断層近傍の地震動を計算し、観測記録と比較することによって手法の有効性を検証し、高密度観測とシミュレーションに基づく次世代強震動予測において、統計的手法が適用できる範囲を検討した。
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