2010 Fiscal Year Annual Research Report
重いクォークを含む新しくエキゾティックなハドロンの動的性質の研究
Project/Area Number |
09F09027
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 真 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Yan-rui 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 強い相互作用 / 量子色力学 / クォーク / グルーオン / ハドロン / QCD和則 / 格子QCD / クォーク模型 |
Research Abstract |
本科研費を用いて、中国・北京から着任した、外国人特別研究員のLiu氏および北京大学の研究者との共同研究を行った。 本年度はヘビークォーク対称性並びに、カイラル対称性を用いて、ヘビーバリオンと軽いメソンの結合有効理論を構成し、メソンとヘビーバリオンの相互作用バーテックスを決定した。結合定数間には、それぞれ対称性からの制限が与えられた。これを用いて、ヘビーバリオンと核子、およびヘビーバリオン同志の相互作用を中間子交換描像に基づいて構築した。決定したメソン間、およびバリオンとメソン間のポテンシャルを用いて、ヘビーバリオンの束縛系の可能性を詳細に検討した。 その結果、次の成果を得た。 (1)ヘビークォーク対称性によればΣ_cとΣ_c^*の質量差が小さいため、パイオン交換のテンサー力によるΣ_c,Σ_c^*の混合の役割が重要であることを指摘した。定量的にその効果を取り入れるために、Σ_c,Σ_c^*を含む状態とのチャネル結合を含む2体系の計算を行った。その結果、想定されるカットオフの範囲内で、A_cNのスピン0,1の状態に束縛状態を予想した。 (2)同様の計算をチャームを2個含むA_cA_c系についても行い、同じくΣ_c,Σ_c^*を含む状態との結合により束縛状態が存在する可能性が高いことを示した。
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