2010 Fiscal Year Annual Research Report
誘電泳動および電荷蓄積法を応用した迅速・高感度免疫測定法の開発
Project/Area Number |
09F09041
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水谷 文雄 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAMON-AZCON Javier 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 誘電泳動 / 微粒子操作 / 高感度化 / 迅速化 / 電化蓄積法 / マルチ計測 / 残留農薬 |
Research Abstract |
高感度化とマルチ化を目指して,微粒子の迅速な配列化技術に1本鎖DNA(ssDNA)の相補的なハイブリダイゼーションを組み込んだ.微粒子表面上に抗原およびssDNAを固定化し,微粒子表面上で免疫反応を進行させ,微粒子の特定位置への捕捉に相補的ssDNAのハイブリダイゼーションを利用した.抗原-抗体間の免疫反応には,生体内液と同等の導電率が最適であり,誘電泳動による微粒子のマニピュレーションのためには低い導電率が望まれる.よって,微粒子表面に抗原を固定化し,免疫反応に最適な導電率の溶液を用いて免疫反応を行い,その後,その微粒子を誘電泳動デバイス中に導入しssDNAのハイブリダイゼーションを用いて所定の位置に集積化した.それぞれの位置に捕捉された微粒子からの蛍光強度を計測することによって,それぞれの分析対象物質の濃度を同時に検出できた.免疫反応のために広い比界面積を有するマイクロ粒子を用いているので感度を向上させることができ,誘電泳動を利用することで迅速性および簡便性を兼ね備えている.微粒子AはアトラジンおよびssDNA-J1_<up>で,微粒子BはブロモプロピレートおよびssDNA-J2_<up>で修飾されている.この2種類の微粒子を,抗体(抗アトラジン抗体および抗ブロモプロピレート抗体)および様々な濃度のアトラジンとブロモプロピレートの混合溶液に添加し,競争的に微粒子に抗体を捕捉させた.混合溶液を,ssDNA修飾マイクロ流路およびIDA電極で構成された誘電泳動デバイスに導入し,誘電泳動により捕捉した.測定対象物質の濃度に伴って微粒子に捕捉される抗体量が変化するため両検出領域における蛍光強度は異なる.この蛍光強度の計測により,両分析対象物質の定量的および同時計測が可能になった.
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Research Products
(15 results)