2010 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質シグナル伝達を可視化する発光プローブの開発
Project/Area Number |
09F09051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 岳昌 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
A.K.M. Kafi 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | GPCR / ルシフェラーゼ / 薬剤スクリーニング |
Research Abstract |
本申請研究では,Gタンパク質共益受容体(GPCR)とそのシグナル伝達に重要な細胞質局在タンパク質β-arrestinとの相互作用を,生きた細胞下で検出する発光プローブを開発する.プローブの原理は2断片に分割した発光タンパク質ルシフェラーゼを用い,それぞれをGPCRおよびβ-arrestinへ融合させる.GPCRとβ-arrestinが相互作用した場合,ルシフェラーゼ断片が接近し再構成の原理により全長ルシフェラーゼが構成され,発光能が回復する. 前年度までに,発光強度の高いエメラルドルシフェラーゼの断片を用いて,複数種類のGPCRに融合させることで検出プローブを開発した.実際にGPCRの活性を上昇させるリガンドを加えた場合に相互作用が発光として検出される事を確認した.また,顕微鏡下での発光イメージングを行い,GPCRとβ-arrestinの相互作用からその解離までを発光イメージングで追跡できることを証明した. 今年度は,検出プローブとは別に赤色波長ルシフェラーゼを細胞に導入する事で,検出プローブの発光を基準化することを試みた.この操作により,細胞の状態,発光基質濃度の変動等の影響を除いてより正確な薬剤応答を検出することが可能となる.これまでに確立していた検出プローブを安定的に発現する培養細胞株に対して,赤色波長ルシフェラーゼを導入し,安定発現株を樹立した.実際にリガンドを加え,プローブの発光および赤色発光をそれぞれ分光検出した.赤色発光値で基準化を行った結果,薬剤以外の影響で発光値が増加もしくは減少していた問題を修正でき,既存の方法よりも高感度なGPCR薬剤スクリーニングを実現した.
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Research Products
(2 results)