2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノパーティクル及び量子ドットを用いたイメージングマススペクトロメトリー法の確立
Project/Area Number |
09F09052
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
瀬藤 光利 浜松医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHRIVAS Kamlesh Kumar 浜松医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 質量顕徴鏡法 / 有機マトリクス / ナノ粒子 |
Research Abstract |
質量顕微鏡法(imaging mass spectrometry : IMS)は生体組織上に有機マトリクス(DEB、CHCA、シナピン酸など)を塗布し、二次元的な質量分析解析の結果をもとにして、測定部位における各生体分子の分布を可視化する手法である。近年、金属を核とするナノ粒子の質量分析法への応用が活発になってきており、IMSへ応用することにより有機マトリックスでは検出されなかった様々な生体分子が可視化される可能性がある。 本研究では、凍結したマウス脳からクライオスタットにより約10um厚で切片を作成し、導電性を有するindium-tin-oxideをコートしたスライドガラス上に貼り付けた。その組織切片表面に有機マトリックスを塗布した上でレーザー照射することにより生体分子がイオン化を行った。この際、イオン化促進剤である有機マトリックスを金属核ナノ粒子に代えることによって、有機マトリックスでは検出されない新たな生体分子の検出を試みた。また金属核ナノ粒子はナノメートルオーダーの構造を持つことから、高解像度の観察が可能になることが期待された。 本年度は銀、金、酸化亜鉛、酸化チタンを核とする金属核ナノ粒子の合成を行い、マウス脳切片のIMS解析へ応用した。その結果、ナノ粒子は有機マトリックスに代わる新たなイオン化促進剤として利用可能であることが明らかになった。有機マトリックスではイオン化されなかった脂肪酸やアミノ酸が新たに検出されたほか、有機マトリックスでも検出された脂質種に対して、さらに高感度検出が可能であることが明らかになった。また金属ナノ粒子は有機マトリックスのようなマイクロメートルオーダーの共結晶を形成しないことから、レーザー収束技術と組み合わせることで高解像度の観察が可能であることが示された。以上ように本研究は、IMS解析へ様々な金属核ナノ粒子を応用することで新たな生体分子をイオン化し、レーザー収束技術の発展とともにナノメートルオーダーでの観察が実現する可能性を示唆した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Visualization of biomolecules in the eyestalk of the blue swimming crab, Portunus pelagicus, by imaging mass spectrometry using the atmospheric-pressure mass microscope.2010
Author(s)
Sroyraya M, Goto-Inoue N, Zaima N, Hayasaka T, Chansela P, Tanasawet S, Shrivas K, Sobhon P, Setou M.
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Journal Title
Surf Interface Anal
Volume: 42
Pages: 1589-1592
Peer Reviewed
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