2010 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゼン系反応性中間体の新規遷移金属触媒反応の開発
Project/Area Number |
09F09053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 正毅 京都大学, 工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HSIEH Jen-Chieh 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遷移金属 / ベンゼン系反応中間体 / 炭素-水素結合活性化 / 炭素-炭素結合活性化 |
Research Abstract |
ベンザインをはじめとするベンゼン系反応中間体を利用する新しい合成反応が国内外で活発に研究されており,天然物の全合成にも応用されるなど,新しい分子骨格構築法として近年非常に注目されている.本研究では,遷移金属触媒を利用したベンゼン系反応中間体の新しい発生方法と反応制御法を開発して,新しい炭素骨格構築反応の開発とその応用を行っている.平成22年度は,アリールパラジウム種をベンゼン系反応中間体として扱い,Ar-Pd結合への分子内アルケンのエナンチオ選択的な配位挿入反応を検討した.分子内にα,β-不飽和カルボニル部位を有するシアン化アリールをパラジウム/AlMe_2Cl協働触媒存在下,いろいろな光学活性配位子を用いて反応させたところ,フェロセン系の光学活性配位子を用いた場合にアルケンのAr-Pd結合への配位挿入が中程度のエナンチオ選択性で進行し,ベンジル位に不斉四級炭素を有する光学活性オキシインドールがまずまずの収率で得られることをみつけた.リン上の置換基や,他のルイス酸触媒,溶媒など反応条件を精査したが,現時点でエナンチオ選択性の大きな向上は達成できていない。しかしながら,本反応によって得られる光学活性オキシインドールは,医薬品や生理活性を有する天然物の合成に利用できるきわめて有用な合成中間体であるので,今後のさらなる触媒検討によって,光学活性オキシインドールの高エナンチオ選択的合成法を確立し,医薬中間体や生理活性天然物の高効率合成に貢献できるものと期待される.
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Research Products
(1 results)