2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09054
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤木 道也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Wei 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | フタロシアニン / 超分子 / 光物性 / らせん / 光学活性 |
Research Abstract |
πスタック型超分子ポリマー群の光物性・光機能の研究は、当研究Gに加えて、信州大学・英ら、産総研・清水ら、オランダNolteら、米国Armstrongらによってなされている。本年度は、1.キラルアルキルアミド基を側鎖に有する溶媒可溶性でかつ気相、液相、固体、固体表面で1次元スタック性を有するフタロシアニン(Pc)を設計創成し、論文発表した。 IR,AFM,MFM,MALDI-TOF-MS,UV-VIS,CD測定などにより、中心金属がCu(II)の場合、当研究グループで既に報告していたNi(II)誘導体と比較して、超分子形成能力ならびに会合構造に大きな違いが認められた。中心金属がCu(II)とNi(II)という中心金属のわずかな違いが超分子形成性に大きな影響を与えることを明らかにし、論文発表した。 2.Al-Fの配位結合によるPc環本来のπ-πスタック力を組み合せた分子設計により、(PcAIF)n超分子ポリマーを得た。IR,AFM,MALDI-TOF-MS,UV-VIS測定より同定し、論文発表した。 3.テトラカルボキシPc(中心金属:cu(II)とNi(II))とジアミノキラル分子をDMSO/CHC13中混合させるのみで、光学活性Pc会合体の形成を見いだした。ジアミノキラル分子のキラリティー反転のみに、生成するPc会合体のコットンバンドも反転した。IR,UV-VIS,CD,MALDI-TOF-MS,TEM測定より、ナノファイバーが形成していた。中心金属がCu(II)の場合、Ni(II)誘導体に比べ、PcのQ-バンド域に強いコットン効果を示した。1.と同様に、中心金属がCu(II)とNi-(II)というわずかな違いがPc超分子の光物性に大きな影響を与えることを明らかにし、論文投稿した。
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Research Products
(5 results)