2009 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによる光誘起構造変化を利用した光機能性材料の設計と作製
Project/Area Number |
09F09056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平尾 一之 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU Shifeng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 発光 / ガラス / ナノ結晶 / 超短パルスレーザー |
Research Abstract |
新規な多機能発光材料の開発を目的に、任意に発光中心が制御可能なガラス材料の探索を実施した。その結果、Ga2O3とLaF3のナノ結晶が析出可能なガラス組成を発見し、これらのナノ結晶中に選択的に2種類の発行中心(Ni2+、Er3+)をドープすることに成功した。この材料は、発光中心とホスト(ナノ結晶)との選択が可能であることから、2種類の発行中心間でのエネルギー移動による損失が抑えられ、広帯域波長多重光コミュニケーションにおいて利用される1200nm~1600nmの波長において非常にブロードな発光が得られることを確認した。本ガラス材料は、熱分析により調べた熱特性の結果から、ファイバー形状に整形することが可能であることを確認しており、開発した発光材料が、広帯域光光ファイバー増幅用として有望であることを示唆する。加えて、このガラス中のGa2O3ナノ結晶とEr3+ドープLaF3ナノ結晶は、それぞれブルーとグリーンの波長領域においても発光が確認でき、新規な多機能発光素子への応用も期待できる。また、このガラスに超短パルスレーザーを照射することで、均一なガラス内部に元素分布(組成分布)が形成できることも確認した。元素分布形成のメカニズムを詳細に調べ、元素移動を制御することで、局所的に発光波長が異なるマルチカラー発光材料が実現でき、局所的な組成制御とナノ結晶析出および発行中心の制御とを組み合わせることで、複数の発光機能を統合したコンパクトな発光素子やデバイスが創製できる可能性がある。
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