2010 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによる光誘起構造変化を利用した光機能性材料の設計と作製
Project/Area Number |
09F09056
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平尾 一之 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU Shifeng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロ3Dエミッター / 多色発光 / 透明ガラスセラミックス / フェムト秒レーザー / 空間選択的改質 |
Research Abstract |
本研究の目的はガラス内部に可視領域で波長選択的に発光する三次元の微細構造を、結晶相の成長と元素分布を空間選択的に制御することによって作製することである。 超短パルスレーザーを用いたマイクロメートルレベルでの微細な発光構造の作製に取り組んできた。微細な発光構造は光学への応用で非常に興味深いが、三次元の微細な発光構造の作製に成功した報告例はほとんどない。そこで我々は三次元の微細な多機能光源を作製するための効率的な戦略を提案した。結晶相の成長とドーパントの分布をフェムト秒レーザー照射によって同時に制御するというものである。一つの例として、二つのナノ結晶(Ga203, LaF3)を析出し得る新規なガラスを作製した。超短パルスレーザーの繰り返し周波数を250 kHzに調整し、ライン状の構造変化を誘起した。構造変化領域では、発光に寄与する元素の分布が変化すると同時にナノ結晶の析出も起こっていた。この結果は空間選択的な光学特性の制御を意味し、緑と青の多色の発光が微小領域で実現できた。これは三次元のマイクロエミッターに応用が期待できる。我々は同時にフェムト秒レーザーによって誘起される元素分布形成と結晶化のメカニズムについても研究を進めた。元素の分布は各元素の拡散係数で部分的に説明できる。これに基づいて、様々な種類の活性中心に対して適切なレーザー照射を行うことができ、例えば、ラインではなく一点一点照射することにより、青色の発光特性が改善されたリング状の構造を形成するのに成功した。 関連した実験結果はJ.Am. Chem. Soc.に公表されている。またZhouはthe Best Paper Award in the 17th International Symposium on Non-oxide and New Optical Glassesを受賞した。
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Research Products
(2 results)