2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデバイス上でのカーボンナノチューブによる植物細胞への遺伝子導入
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09F09066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
馬場 嘉信 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IBRAHIM Hayoumi 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ / 植物細胞 / 細胞情報・動態 / ナノバイオ材料 |
Research Abstract |
本研究では植物細胞内に核酸(DNA、RNA)、タンパク質等の外来物質を導入する方法に着目し、特にカーボンナノチューブを利用した外来物質導入方法を研究した。DNAやRNAのようなポリヌクレオチド、タンパク質、脂質等の生体物質を外来物質として標的とする細胞内に導入するための種々の方法が知られているが、一般に動物細胞と比較して植物細胞に外来物質を導入することは困難である。植物細胞はセルロースを含む強固な細胞壁に包囲されており、当該細胞壁の存在が外来物質導入の障壁となるからである。本研究の外来物質導入方法では、細胞壁分解酵素が固定化されたカーボンナノチューブを使用することによって標的細胞の細胞壁に微小な孔(ナノ・ホール)をあけることができる。そして、当該する微小な孔から目的の外来物質を細胞内に導入することが可能となった。この方法によって標的細胞の細胞壁に形成される孔は非常に微小であるため、処理後の細胞生存率は極めて高く、細胞が本来備える機能を維持している無欠陥細胞を得ることができる。また、細胞の取り扱いにも特別な慎重さを必要としない。従って、煩雑で手間のかかる操作を行うことなく、高い効率で目的の外来物質が導入された細胞を効率よく得ることができる。本研究の応用例とその効果としては、標的細胞内で発現可能な遺伝子(ポリヌクレオチド)や遺伝子構築物(ベクター等)を導入することによって目的の形質転換体を容易に得ることができる。
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