2010 Fiscal Year Annual Research Report
遷臨界二酸化炭素サイクルの減圧沸騰と流動沸騰過程における潤滑油の影響
Project/Area Number |
09F09073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
党 超鋲 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Minxia 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 伝熱特性 / 混合冷媒 / 流動沸騰 / HFO1234yf / HFC32 / 低GWP冷媒 / CO2 / 潤滑油 |
Research Abstract |
二酸化炭素ヒートポンプ給湯器はその省エネ性と環境性能が高く評価され、日本では普及されているが、更なる性能向上のためには熱交換器内部の蒸発及び凝縮特性の解明が求められている。特に潤滑油の混入により、伝熱性能が純冷媒のそれから大幅に低下するため、そのメカニズムの解明と伝熱性能予測手法の確立が不可欠である。本研究は内径2mmの伝熱管を用いて広い質量流量、熱流束と潤滑油濃度条件における管内流動沸騰伝熱特性の実験測定及び理論計算モデルの構築を行った。蒸発温度が15℃であるため純二酸化炭素冷媒の流動沸騰伝熱には核沸騰が支配的であるが、潤滑油の混入により伝熱メカニズムが変わり、低クオリティーには核沸騰支配、高クオリティーにおいては強制対流沸騰の影響が顕著に見える。さらに、PAGタイプの潤滑油の濃度が0.5%を超えたら50%以上の伝熱性能低下が観察され、適切な潤滑油の管理及び相溶性の潤滑油を用いる必要が示唆されている。実験結果を踏まえて、潤滑油と冷媒の混合物の表面張力、粘性などの熱物性を用いて潤滑油が混入した場合の伝熱性能予測モデルを提案した。また、カーエアコンに提案されている低GWP冷媒HFO1234yfおよび定置用空調機に提案されている低GWP混合冷媒(e.g.HFO1234yf+HFC32)のフィジビリティーを考察するため、HFOI234yf、HFC32純冷媒、およびHFO1234yf+HFC32混合冷媒(混合比50/50%と80/20%)の管内流動沸騰伝熱特性を実験的に計測し、その伝熱特性を明らかにした。特にHFO1234yfとHFC32との冷媒の飽和圧力の差が大きいため、液体内部の濃度分布の不均一により伝熱性能への影響を考察し、混合冷媒の伝熱性能予測モデルを提案した。提案した伝熱性能予測モデルは広い実験条件において実験結果をよく再現でき、混合冷媒を用いた次世代定置用エアコンの熱交換器の設計及びサイクルの実運転性能の解析に適用することが可能である。
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Research Products
(6 results)