2009 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル磁気抵抗マイクロセンサーを利用した磁気MEMSデバイスの開発
Project/Area Number |
09F09077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩田 聡 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUHARYADI Edi 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気センサ / スピントンネル素子 / 磁歪現象 / 加速度センサ / 巨大磁気抵抗効果 / 接触センサ |
Research Abstract |
加速度センサや接触センサなどを実現するため,磁化自由層の磁区構造が外力によって変化する巨大磁気抵抗(GMR)素子の試作を行った。磁性材料は,外力が加わると磁歪の逆効果によって磁気異方性が誘導される。これをGMR素子の磁化自由層に応用した。スピンバルブ膜を構成するCoFeB磁化自由層のみの単層膜を厚さ0.15mmのカバーガラス上に作製し,幅30μmのストリップラインにフォトリソグラフィによって加工した。また,成膜中にストリップラインの幅方向に静磁界を加えて,一軸磁気異方性を誘導した。このストリップラインの磁区構造を磁気力顕微鏡(MFM)で観察したところ,ストリップライン上に多数の磁区構造が観察され,各磁区内の磁化方向は,容易軸方向を向いていることが確認された。次いで,基板であるカバーガラスを歪ませた状態でMFMにより磁区観察を行ったところ,磁区構造は,消失していた。これは,磁歪の逆効果によって,磁気異方性の容易軸方向がストリップラインの幅方向から長手方向に変化したためと考えられる。この外力による磁区構造の変化を検出する方法として,CoFeB層をスピンバルブ膜の磁化自由層に用いることを提案し,CoFeB/Cu/CoFe/MnIrの構成のスピンバルブ型磁気センサの作製を行った。これまでにスピンバルブ膜の磁気特性の評価を行うとともに,外力を加えない場合の磁気抵抗特性の測定を行った。今後,外力によって,ガラス基板を歪ませた場合の磁気抵抗変化を検出するセンサ回路の開発を行う計画である。
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Research Products
(4 results)