2009 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システムとリモートセンシングを用いて月単位流出時空間モデルの開発
Project/Area Number |
09F09079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖 大幹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OZCELIK Ceyhun 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 気候変動 / 土地利用変化 / 水文モデル / 衛星データ / 水循環解析 |
Research Abstract |
本研究は、今後急激な経済発展・人口増加が予測されるアジア地域の水環境が、地球温暖化の影響を受けて2050年~2100頃にどのように変化するのかを、定量的に明らかにするとともに、その変化を前提とする場合、市民生活への影響を回避あるいは軽減するためにどのような政策が効果的かつ実現可能なのかを明らかにし、持続可能な水政策・適応策の立案に資する成果を出すことを目的としている。平成21年度は、計画の初年度として、全体の研究打ち合わせを行い、最終目的と研究代表者および分担者との関係について、相互関係の確認を行うとともに、関連するモデル仕様やアウトプット形態について検討を加えった。その後、この検討結果を元に課題についての検討を進めった。具体的には: 1.衛星観測データによる降水量分布とその水資源管理・予測のための利用に関するデータ解析及びモデル開発を行った。すなわち、衛星による降水観測はその開発の歴史や現状にかかわらず、水資源管理・予測への利用が進んでいないことに着目し、高い水平分解能のデータを用いて、どの程度までの時・空間スケールで、異なる特性を有する地域ごとの水管理に耐えうる定量的推定が可能かを検討した。 2.開発されたモデルの検証について、試験流域(トルコのユーフラテス川流域など)を選定し、水文学・気象学的な長期観測データを収集整備した。このデータを用いて、これまでに開発した水循環解析モデルに試験し、必要に応じて改良を加えった。全体を結合して、総合月単位流出時空間モデルを構築し、可能な限り過去のデータによる再現試験を行った。 3.季節な土地利用を把握するため、ERDASソフトでNOAA/AVHRR、ランドサット/TM、SPOT/VEGETATIONなど高頻度観測衛星画像データを整理した。 4.最後に,上記の解析結果をまとめて,論文を執筆した。 本年度の予算の大部分は、モデル開発や数値実験に伴う記憶メディアなどの消耗品、および衛星観測データの収集等に対する流域現地観測のための旅費、研究打ち合わせと国際会議での発表・討議のための旅費が中心となっている。
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