2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア成長都市の伝統様式を活かした持続型コンパクトシティの形態研究
Project/Area Number |
09F09084
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 敦 Kyushu University, 人間環境学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TO Kien 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | コンパクトシティ / アジア / 街路 / 居住環境 / ハノイ / ベトナム / 高密度 / 中華街 |
Research Abstract |
アジアでのコンパクトな居住様式や都市の類型を整理するために、文献資料と既往研究に基づき、東アジア及び東南アジアの都市における伝統的な都市居住の建築様式と生活様式、高密度な都市空間に関する網羅的なレビューを行ない、アジアの高密度居住の建築様式に関するデータベースの作成に着手した。 更に、ミクロなスケールから見たコンパクトな居住様式に関する調査として、アジアの高密度でコンパクトな居住地の典型としてベトナム・ハノイ市を対象にした現地調査を実施した。現地調査は、2009年9月、12月、2010年2月の3回にわたって実施し、まず、ハノイ都心部の旧市街地、フランス植民地時代の開発地、近代化以降に開発された郊外住宅地から典型的な高密度居住街区を抽出し、街区・街路構成等の把握と比較を行ない、その特徴点を整理した。更に、旧市街地では更に高密度な街区や街路の構成とそこでの高密度な居住環境や生活実態を把握するために、旧市街地の典型的な高密度街区を抽出し、測量調査と生活者へのアンケート調査を実施し、伝統的なチューブハウスの建築様式、街区・街路の空間構成と生活実態を明らかにした。加えて、高密度な街路の利用実態を把握するために、街路上でのビデオ撮影とアンケート調査を実施した。その結果、高密度な地区内での街路等公共空間の時間帯による利用法の変化が狭い家屋での過密な居住を補う役割を可能とし、街路空間が単なる交通機能ではなく、コンパクトな地区での生活機能の一部を担う空間として利活用されている実態を明らかにした。 また、他の高密度都市との比較のために、マレーシア・クアラルンプール、シンガポール、タイ・バンコクにおける中華街の伝統的な高密度居住地の空間構成等を整理した。
|