2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ巨大都市における環境共生コミュニティとバイオ建築デザインの研究
Project/Area Number |
09F09085
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 敦 Kyushu University, 人間環境学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SWAI Ombeni 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | Eco design / Symbiotic Neighborhood / infrastructure / Vernacular architecture / African Architecture / Swahili architecture / Colonial architecture / Urban Infrastructure |
Research Abstract |
本年度は、アフリカ地方の全般的な都市の成り立ちと建築様式や都市化の動向の把握のために行なった文献調査、及びバナキュラー建築の典型としてスワヒリ建築様式で構成されるタンザニア・ダルエスサラーム市都心部で実施した現地調査を実施した。 まず、アフリカ地方におけるバナキュラーな建築様式の成り立ちを理解するために、地理、気象、宗教等の条件に基づき、独自のアフリカ地域のゾーニングを整理し、各ゾーニングにおける都市化の状況、都市規模、建築様式、材料、施工方法の特徴点を明らかにした。基本的に、先住民文化、イスラム文化、西欧文化の影響を受けアフリカの建築文化と様式が構成されており、合わせてゾーン相互の違いの要因を地理条件等との関係がら考察した。 次に、アフリカの主要都市に対し、都市基盤の整備と植民時代の影響の観点から類型化を試み、合わせて2007年の国連経済社会局の統計データ等に基づき、主要都市の都市化の動向に関する分析を行った。アフリカ主要都市の都市化の傾向を統計調査を基にマクロに把握した結果、モロッコ、ジブチ共和国、モーリシャス共和国及びセイシェル共和国等の東アフリカの国々が約85%もの非常に高い都市化率を有しているなど、地域別の都市化の動向の違いが明らかになったほか、現在の市街地拡張の方向性と都市基盤整備の方向性との不一致を明らかにした。 また、2010年1~2月にダルエスサラーム都心部のスワヒリ建築様式の住宅で構成される住宅地を対象にして現地調査を実施し、物的環境の把握と居住者へのアンケート調査等をもとにしたバナキュラー建築様式の住区における居住環境の実態と課題を明らかにし、改善の方向性について考察を行なった。
|