2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ巨大都市における環境共生コミュニティとバイオ建築デザインの研究
Project/Area Number |
09F09085
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 隆文 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SWAI Ombeni 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | 社会的側面 / 環境側面 / 社会環境 / 経済的側面 / アフリカ建築 / スワヒリア建築 / 共生 / 都市化 |
Research Abstract |
本研究は、アフリカのヴァナキュラー建築の特性理解と今後の発展・改善を目標として、2009年9月より開始したものであり、建築スタイルの一つであるバイオ建築の設計原理に基づいて、近隣との共生するバイオ建築の在り方を明らかにするものである。 本年度は、それまでの調査の内容を改良し、社会的・物理的環境変化による建築・近隣地区の変化を把握するために実施した。この調査では約90世帯を対象にインタビュー、アンケート、物的調査を実施した。結果として、(1)家族形態の変化が建物の拡張を誘導し、「建築物の不規則な密集化」を引き起こす要因であること。(2)建物規模の拡大要求は、家族形態の変化に対応することのみならず、近隣との社会的・経済的活動にも起因すること。(3)建物規模の拡張は、換気の障害といった影響を環境パラメーターに直接与えるとともに、中庭での社会的機能等にも影響を及ぼしていることなどを明らかとした。 また、環境パラメーターの分析においては、気温、湿度、雲行き、風速と方向、太陽放射、雨降りといった環境データを分析し、この研究地域は、湿っぽい上、年間60%の高い太陽放射量があるので、住まいには相応しくない環境であること明確化した。 ここで得られた知見は、バイオ建築設計上で解決すべき、最も重要な設計要素の手がかりである。このような湿度の高い気候では、中庭や建物の路地といった機能スペースを遮断する傾向が増したことで、より高度な設計が要求される。なぜなら、建物面積の拡張は、横断的な換気を必要とする気候の性質に反するからである。このような考察をもとに、最終的には「共生都市コミュニティ設計へのアプローチ」の戦略と方法論を提案した。 以上の内容を取りまとめ、学術論文に投稿した。
|