2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト抗体ファージ提示ライブラリの構築及びOS免疫測定原理に基づく診断用チップの開発
Project/Area Number |
09F09090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
董 金華 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 生物・生体工学 / 分析科学 / 蛋白質 |
Research Abstract |
1)ファージライブラリからの甲状腺ホルモンの高感度検出系の構築 血液中の甲状腺ホルモン(Thyroxine,T4)量は甲状腺疾患の診断マーカーとして重要であり、その簡便迅速な測定系の確立は最近の放射能不安解消の観点からも急務といえる。我々は最近,董研究員の開発したpDongシステムを用いて免疫マウスよりT4の高感度なOS-ELISAに適した抗体を選択することに成功した。これは,ハイブリドーマを介さずOS-IAに適した抗体を選択した初めての例である。さらに,ここで得られた抗体をマイクロ流路検出系に用いて,数マイクロリットルのサンプルより20分以内で血清中のT4濃度を測定することに成功した。 2)高病原性トリインフルエンザウイルス抗体的開発 高病原性(H5N1)トリインフルエンザウィルスは,特に迅速高感度な診断を要するターゲットである。そこで東京都臨床医学研究所の芝崎博士らと共同でOS-IAでこのウィルスを迅速高感度に検出するための抗体開発を行った。この際ウイルスの表面蛋白質ヘマグルチニン(H5-HA)ペプチドで免疫したマウス由来抗体ライブリを作製し,ここから,このペプチドに特異的に結合する抗体をパニングにより多数取得することができた。さらにこれらの抗体を用いて,HA蛋白質ペプチドの高感度なOS-ELISA実施にも成功した。さらに,GFP-HA融合蛋白質を発現するモデル感染細胞染色の実験で,これらの抗体が細胞内のHAとも結合することが確認された。現在実際の感染細胞でのウイルス粒子の検出をImmunoPCR法との組み合わせを含めて検討している。 3)この他,抗原結合によりその酵素活性が促進される抗体酵素融合タンパク質の作製,多数の低分子認識抗体遺伝子のクローニングなど,多くの仕事に関わりそれぞれにつき成果をあげることができた。
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Research Products
(5 results)