2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09098
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衞 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUDUS Izabela 名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / ジャスモン酸 / 傷害応答 / 遺伝子発現制御 / プロモーター / 突然変異体 |
Research Abstract |
害虫の食害を受けた植物は、ただ食べられているのではなく、辛味成分や消化酵素阻害物質などの忌避物質を産生することで自らの体を害虫に食べられにくいものにしたり、ある種の揮発性物質を産生して害虫の天敵を呼び寄せ、害虫を駆除してもらったりするなどの対抗手段を持っている。この過程で植物ホルモンであるジャスモン酸が重要な働きをしていることはよく知られている。では、植物は食害をどのようなしくみで認識し、ジャスモン酸生合成を活性化させるのであろうか。本研究では、食害を人為的に模倣した傷害によってシロイヌナズナのジャスモン酸生合成遺伝子DAD1およびDAL3の発現が誘導されることに着目し、両遺伝子の傷害誘導機構について解析を進めた。 1.DAD1の傷害誘導が異常になる突然変異体の単離と解析:DAD1遺伝子の傷害応答性発現制御配列にルシフェラーゼ(LUC)レポーター遺伝子をつないでシロイヌナズナに導入し、突然変異処理を行ったのち、傷害を加えてもLUC活性が上昇しないような突然変異体をスクリーニングした。合計11,096個体のスクリーニングを行い、有力な候補株を10個得ることができた。 2.DAL3プロモーターの傷害誘導性シス配列の同定:翻訳開始コドンATGのAから5'上流側、約2.5kbまでの範囲をGUSレポーター遺伝子に連結すると、強い傷害誘導性発現が観察された。そこで、5段階に分けてこの2.5kbの範囲を徐々に削り込んでいった結果、翻訳開始コドンの約1kb上流に存在する塩基配列が傷害誘導の主要なシスエレメントであることが明らかになった。ここに結合する転写制御因子を同定するため、酵母ワンハイブリッド法によるスクリーニングも行った。
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