2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09098
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衞 Nagoya University, 生命農学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUDUS Izabela 名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / 傷害応答 / ジャスモン酸 / 突然変異体 |
Research Abstract |
害虫の食害を受けた植物は、ただ食べられているのではなく、辛味成分や消化酵素阻害物質などの忌避物質を産生することで自らの体を害虫に食べられにくいものにしたり、ある種の揮発性物質を産生して害虫の天敵を呼び寄せ、害虫を駆除してもらったりするなどの対抗手段を持っている。この過程で植物ホルモンであるジャスモン酸が重要な働きをしていることはよく知られているが、植物が食害をどのようなしくみで認識し、ジャスモン酸生合成を活性化させるのかについてはほとんど何も分かっていない。本研究では、食害(あるいはそれを人為的に模倣した傷害)によってジャスモン酸生合成が活性化されるしくみの遺伝子レベルで解明することを試みている。 シロイヌナズナにおいて、ジャスモン酸生合成遺伝子の一つであるDAD1の発現は傷害で迅速に活性化される。そこで、まずβグルクロニダーゼ(GUS)およびルシフェラーゼ(LUC)遺伝子をDAD1遺伝子の傷害応答領域に連結し、シロイヌナズナに導入した。これらの植物は無傷ではGUS活性やLUC活性をほとんど示さないが、傷害を加えると高いGUS活性やLUC活性を示すようになった。これらの植物をメタンスルホン酸エチルで突然変異処理し、傷害応答性を示さなくなる突然変異体の単離を試みた。 DAD1の類似遺伝子の中にも傷害によって転写が活性化される遺伝子がたくさんある。その中の一つについて詳細なプロモーター解析を行い、遺伝子の5'上流側の特定の領域に傷害応答性エレメントが存在することを確認した。
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Research Products
(1 results)