2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09103
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 邦夫 Kyoto University, 霊長類研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 鵬 (ZHANG Peng) 京都大学, 霊長類研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | ニホンザル / 社会システム / 比較社会 / 小豆島群 |
Research Abstract |
ニホンザルの群れ間に見られる社会構造の違いに着目し、なぜそのような違いがあるのかを明らかにしようというのが、本研究の目的である。本年度は、香川県小豆島の銚子渓野猿公園において野外調査を行った。小豆島の群れは、これまで高崎山や幸島で知られてきたような、いわゆるボスザルが順位社会の頂点に立ち、各個体が整然と順位関係に基づいた行動をするのとはだいぶ違う行動をすることで知られている。小豆島の群れのデータが今後の他地域のサル社会との比較の基礎になるので、十分時間をかけて、個体間の攻撃行動、それにともなって起こる慰撫行動やその他の社会行動に関するデータ収集を行った。また銚子渓に生息する2群間の関係も、高崎山とは非常に異なっており、この点についてもデータをとり分析を行っている。日本での学習の成果を基に、中国語で霊長類学を紹介する本を出版した。この本は、現在中国国内の3つの大学で霊長類学のテキストとして使われている。また日本の猿害問題に関する知見をまとめて、中国国内誌で出版した。また現在、ニホンザル飼育群や餌付け群でよくみられる脱毛現象についてまとめ、国際誌に投稿中である。
|
Research Products
(2 results)