2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 邦夫 京都大学, 霊長類研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG P. 京都大学, 霊長類研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ニホンザル / 社会システム / 比較社会 / 小豆島群 |
Research Abstract |
ニホンザルの群れ間に見られる社会構造の違いに着目し、なぜそのような違いがあるのかを明らかにしようというのが、本研究の目的である。本年度は、香川県小豆島の銚子渓野猿公園と長野県地獄谷野猿公園、大分県高崎山野猿公園において野外調査を行った。小豆島の群れは、高崎山や幸島でよく知られるようになった、いわゆるボスザルが順位社会の頂点に立って、全ての個体が整然と順位関係に基づいた行動をとるのとは、かなり異なった行動をすることで知られている。特にそれぞれの地域のニホンザル群における群間関係に着目して、データを収集した。その結果、小豆島のニホンザル群では群間の争いがあってもそれが長く続き数時間も争いながら、同じ餌場周辺にとどまることが明らかになった。他のニホンザル群では群れ間の争いはほとんどが短時間で終息し、一方の群れがその場から逃げ去る、あるいは出会いを避けることによって長時間の争いは避けられている。また、関連した群れ間のスペーシングのありかたや攻撃行動の内容が大きく異なることなども明らかになった、現在その内容を論文にまとめ投稿したところである。また日本での成果を活かして、霊長類学を紹介する中国語の本を出版することになり、現在印刷中である。本書は2冊目の中国における霊長類学の教科書である。
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Research Products
(3 results)