2010 Fiscal Year Annual Research Report
エンバクいもち病菌のコムギに対する非病原力遺伝子PWT3のクローニング
Project/Area Number |
09F09107
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土佐 幸雄 神戸大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CR Cumagun 神戸大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Magnaporthe oryzae / Pyricularia oryzae / Avirulence gene / Wheat / Blast / Oat |
Research Abstract |
昨年度、エンバクいもち病菌Br58とコムギいもち病菌Br48の交雑に由来するBC_3F_1集団を用いてPWT3に連鎖したSSRマーカーを見出した。2つのSSRマーカーでほぼPWT3を挟み込んだと考えたが、詳細に検討すると、SSRマーカーの分離パターンと病原性の分離パターンが矛盾する箇所が存在することが判明した。また、本集団においては、PWT3保有菌系とpwt3保有菌系の比が1:1から有意に異なり、これが分離分析を複雑にしていた。そこで、BC_4F_1分子集団、ランダム集団を作成し、これらの菌系を普通系コムギ品種、二粒系コムギ品種、オオムギ品種に接種して、分離分析を行った。その結果、四分子集団では、いずれの植物上でも非病原性菌系を病原性菌系が1:1に明瞭に分離し、かつその分離パターンは品種間で完全に一致した。このことから、PWT3は普通系コムギ・二粒系コムギ・オオムギいずれにも認識されうること、換言すれば、これらの植物がいずれもPWT3に対応する抵抗性遺伝子Rwt3を保有していることが示唆された。ランダム集団においてもほぼ同様の結果が得られたが、若干結果が不安定な菌系があり、さらに継続して検討中である。 一方、昨年度二粒系コムギにおいて同定したRwt3をクローニングするため、Rwt3分離F_2集団各個体からDNAを抽出した。現在コムギのSSRマーカーを用いて分子マッピングを行っているところである。さらに、昨年オオムギ品種KobinkatagiにPWT3に対応すると思われる抵抗性遺伝子を見出したが、その効果は不安定で、F3を用いた解析でも、明瞭な1:2:1分離を得るに至らなかった。そこで、他のオオムギ品種をスクリーニングしたところ、品種Kwanと感受性品種を掛け合わせたF_2が明瞭な3:1分離を示すことを見出した。現在この交雑から得られたF_2,F_3を用いて詳細な分離分析を行っているところである。
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Research Products
(2 results)