2009 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ品種間差を利用する根の重金属耐性機構の研究
Project/Area Number |
09F09109
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小山 博之 Gifu University, 応用生物科学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHAFFAI Radhouane Ben Jamaa 岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 植物栄養 / 銅過剰 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
重金属耐性は複数の遺伝子により支配される形質である。申請者は、シロイヌナズナの生態型に存在する耐性差を利用して、耐性に関する遺伝子を特定することを目的とし、(1)品種間差を遺伝学的に解析するために、アソシエーションマッピングとQTL解析を受け入れ研究者と共同して実施する(2009年度)、(2)マイクロアレイから特定された応答遺伝子の効果を逆遺伝学(ノックアウトラインを用いる)で解析する(2010年度まで)、(3)耐性差に関与する遺伝子の過剰発現体を作成して、品種間差の遺伝子多型とあわせて解析し、原因遺伝子を特定する(2011年度帰国まで)を計画している。本年は、来日からの半年間で、銅耐性、カドミウム耐性、およびリファレンスとしての耐塩性に関するQTL解析を実施するとともに、マイクロアレイのデータ解析を行った。マイクロアレイに関しては、根をイオン処理したサンプルにおける地上部の遺伝子発現を中心に解析し、共通して誘導される遺伝子及び特異的に誘導される遺伝子が存在することを確認している。これらに関しては遺伝子破壊系統を入手して、ホモ接合体解析の準備を進めている。ところで、抑制される遺伝子の中には、あるイオン処理を行うと、特定のほかのイオンの輸送体遺伝子が抑制されることなど、イオン間の相互作用を分子レベルで理解する端緒となる現象を見出した。元素分析などを組み合わせることにより、いわゆるcombined effectの分子機構が解明につながると考えられる。
|