2009 Fiscal Year Annual Research Report
新植物ホルモン・ストリゴラクトンの構造、生合成経路の解明
Project/Area Number |
09F09111
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
米山 弘一 Utsunomiya University, 雑草科学研究センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE X. 宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | 有機化学 / 生理活性 / 植物 / 寄生 / 共生 / 植物ホルモン / ストリゴラクトン / 生合成経路 |
Research Abstract |
キュウリ、アマの水耕液から、新規ストリゴラクトン(SL)の探索を行い、7α-および7β-ヒドロキシオロバンコールおよびその酢酸エステルを単離・構造決定した。また、エンドウの水耕液からはファバコールの単離に成功した。各種植物の根浸出液を精査したところ、7-ヒドロキシオロバンコールおよびその酢酸エステルは、植物界に比較的広く分布していることが分かった。なお、イネ、トウモロコシなどの水耕液から新規SLが検出されたが、量が少なく、構造決定には至らなかった。現在研究を継続している。 植物の水耕液から単離されている11種のSLの根寄生植物ヤセウツボ種子に対する発芽刺激活性を調査した結果、発芽刺激活性にはSL間で100倍以上の差があること、SLの疎水性および化学的安定性が発芽刺激活性に影響することが明らかとなった。 陸上植物の中で進化的にもっとも基部で分岐した蘚類のヒメツリガネゴケは、SL生合成に関与するとされるMAX1ホモログを持たないにも関わらずSLを生産していた。さらに同じくSL生合成に関与するとされるカロテノイド酸化開裂酵素遺伝子(CCD8)功破壊株(Ppccd8)も量は少ないがSLを生産していた。すなわち、ヒメツリガネゴケのSL合成経路は高等植物とは異なっていることが示唆され、ヒメツリガネゴケは、SL生合成経路解明のための重要な実験材料であることが分かった。なお、野生株とPpccd8の生産するSLは生育初期の原糸体では質的にも量的にも殆ど同じであるが、生育ステージ後期の茎葉体では劇的に変化した。この変化が顕著になる時期にCCD7ホモログの発現量が上昇することから、その詳細について研究を継続中である。
|
Research Products
(15 results)