2010 Fiscal Year Annual Research Report
新植物ホルモン・ストリゴラクトンの構造、生合成経路の解明
Project/Area Number |
09F09111
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
米山 弘一 宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE X. 宇都宮大学, 雑草科学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機化学 / 生理活性 / 植物 / 寄生 / 共生 / 植物ホルモン / ストリゴラクトン / 生合成経路 |
Research Abstract |
イネの生産するストリゴラクトン(SL)としてorobancholと7-oxoorobanchyl acetateを確認した。さらに2種類の5-deoxystrigol異性体、1種類のorobanchol異性体および4種類のmethoxy-5-deoxystrigol異性体の存在が示唆された。1つの5-deoxystrigol異性体とorobancholの異性体は、CDおよびNMR解析から、(-)-ent-2'-epi-5-deoxystrigolと(-)-ent-2'-epi-orobancholと同定した。4種類のmethoxy-5-deoxystrigol異性体は現在、精製と構造解析を進めている。また、エンドウなどの水耕液に新規SLの存在を確認し、それらのいくつかについては推定構造を提出した。 陸上植物の中で進化的にもっとも基部で分岐した蘇類のヒメツリガネゴケの野生株とSL生合成経路の遺伝子CCD8破壊株(Ppccd8)の茎葉体が培地中に分泌する生産するSLは、量的および質的に異なっていた。野性株に比較するとPpccd8では量も少なく種類も限られていた。Ppccd8のカウロネマの分岐やコロニーの無制限な拡大は、野性株のコロニーを近傍に置くことにより、またSLを投与することによって野生型の形質に戻ることから、SLは、ヒメツリガネゴケのカウロネマの分岐制御および個体密度の調節に関わるクオラムセンシング物質として機能している可能性が示唆された。
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Research Products
(23 results)