2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満、抗糖尿病ホルモンの分泌を刺激する食品ペプチドに関する研究
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09F09112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 博 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD.KAOSAR Niaz Bin Sufian 北海道大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 食品ペプチド / 豆類 / 消化管ホルモン |
Research Abstract |
1.北海道産品を中心に種々の豆類よりペプシン分解物を調製し、消化管内分泌細胞株STC-1における消化管ホルモンCholecystokinin (CCK)の分泌活性を比較したところ、小豆、緑豆の加水分解物に、既知の大豆ペプチドよりも高い活性があることが示された。同様に、パパインやブロメラインなどのプロテアーゼで加水分解したものを調整したが、ペプシン分解物の方が高い活性を有することが明らかとなった。これにより、小腸のCCK産生細胞は、胃でのペプシン消化を受けたペプチドを認識しやすいということが示唆された。 2.上述の各種豆類加水分解物の、消化管ホルモンGlucagon-like peptide-1 (GLP-1)分泌への影響を、消化管内分泌細胞株GLUTagを用いて検討したところ、小豆のペプシン分解物にのみ強い活性が見られた。これによりGLP-1産生細胞とCCK産生細胞では、食品ペプチドの認識様式が異なることが示された。 3.小豆のペプシン分解物を強力なペプチダーゼであるプロナーゼ処理を行ったとことろ、CCK分泌活性は消失したことから、小豆由来のペプチドが活性本体であることが示された。 4.小豆のペプシン分解物をゲル濾過クロマトグラフィーにより分離、分画したところ、分子量1000-6000の画分に高い活性が見られ、比較的高分子のペプチドに活性があることが示唆された。これらの画分を、さらに逆相クロマトグラフィーにより分画したところ、疎水性のペプチドに活性が局在することが明らかとなった。これにより、小豆加水分解物中の疎水性高分子ペプチドが強いCCK分泌活性を持つと考えられた。
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Research Products
(1 results)