2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満、抗糖尿病ホルモンの分泌を刺激する食品ペプチドに関する研究
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09F09112
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 博 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD.KAOSAR Niaz Bin Sufian 北海道大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 食品ペプチド / 豆類 / 消化管ホルモン |
Research Abstract |
〈小豆加水分解物経口投与による食欲抑制作用〉 食後の満腹感を誘導する消化管ホルモンCholecystokinin (CCK)の分泌を刺激する食品ペプチドとして、種々の北海道産豆類の加水分解物の中から、小豆加水分解物に強い活性があることを前年度の培養細胞での試験により見出した。これを絶食させたラットに経口投与し、その後の摂餌量を観察する試験を行ったところ、投与量依存的に摂餌量が低下することが明らかとなった。低下した摂餌量は、投与した小豆加水分解物の重量よりも大きいことより、小豆加水分解物は、たんぱく質としてのエネルギー摂取とは異なり、消化管からのCCK分泌を介して摂餌量を低下させることが示唆された。 〈大豆βコングリシニン加水分解物の長期的な食欲抑制作用〉 大豆βコングリシニンを食品加工用の種々のプロテアーゼで加水分解し、培養細胞でのCCK分泌活性を調べたところ、ブロメライン、サーモライシンで分解したものに強い活性が見られた。これをラットに単回投与したところ、ブロメライン分解物(BconB)に食欲抑制作用が見られた。このBconBを、一日2回(各1時間)のみ食餌を与える条件(Meal feeding)下で10日間、連日給餌直前に経口投与したところ、1日100mg(50mgを2回)の投与で、1日平均1g以上の摂餌量の低下を引き起こした。これにより食品加工用のプロテアーゼで分解したβコングリシニンが、単回のみでなく連日の経口投与でも食欲を抑制することが明らかとなり、ヒトでの実用化の可能性が高まった。
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Research Products
(4 results)