2009 Fiscal Year Annual Research Report
耐力壁と半剛節骨組みが一体となった木構造の解析法の開発
Project/Area Number |
09F09116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 幸平 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Wen-Shao 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 組物 / 鉛直荷重 / 回転剛性 / 摩擦抵抗 / めり込み |
Research Abstract |
(1)接触を考慮した組物架構の力学評価 台湾の組物は日本の組物に似ている面もあるが、左右非対称な形態が多く、日本の組物と少し異なる挙動をすることが予想された。そこで、台湾国立成功大学建築学科に保管されていた伝統建造物の組物を修正・加工し直した後日本に運搬し、生存圏研究所において再組み立てした後、構造耐力実験を行った。組物架構は鉛直力による木部材同士の接触が架構の回転剛性に大きく影響を及ぼすと予想されたため、スライド架台型ワイヤープーリー装置を用いて数種類の一定鉛直荷重を与えながら正負繰り返し荷重を載荷する二軸加力試験を行った。その結果、予想どおり鉛直荷重が組物の剛性に大きく影響を及ぼし、鉛直荷重が大きい程、回転剛性も増加することを確認した。組物全体の回転変形は多分に剛体回転的で、升の底面が下の部材にめり込む割合は少なかった。また、組物の接触面にテフロンシートを敷いて摩擦を極力無くした状態で同様の載荷を行ったところ、摩擦の影響も剛性に対して大きく寄与していることが明らかとなった。また、日本の組み物と違って左右非対称であるため、装飾的な部材が実は重要な荷重伝達経路として利用されていることも実験から明らかとなった。 (2)土塗壁の力学評価 実際の研究を開始したのが平成21年の9月からであり、現在8ヶ月目である。この間、(1)の組み物の実験、特に台湾で試験体の修正・加工に時間が掛かったため、土塗り壁の実験は現時点では実施できていない。今後実験を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)