2009 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2バランスの制御による魚類のウイルス病に対する細胞性免疫誘導
Project/Area Number |
09F09118
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 照幸 Nihon University, 生物資源科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUKANTA KUMAR Nayak 日本大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 魚類 / T細胞 / 細胞性免疫 / IFNγ / ギンブナ / 細胞内寄生細菌 |
Research Abstract |
ウイルスや細胞内寄生細菌による疾病が水産養殖において大きな問題となっている。ウイルス病や細胞内寄生細菌による疾病に対する感染防御には、液性免疫よりも細胞性免疫が重要な役割を果たしていることが知られているが、魚類においては細胞性免疫の研究が遅れている。一方、我々はギンブナにおいて先駆的な細胞性免疫の研究を進めている。 ヘルパーT細胞は、細胞性免疫、液性免疫に関わるTh1,Th2細胞に分類される。これらヘルパーT細胞の分化には、サイトカインや転写因子が関与している。そこで本研究では、ギンブナを用いて魚類におけるTh1/Th2応答を制御し細胞性免疫を誘導する技術の開発を試みる。 当初、Th1細胞の誘導に関わる転写因子、T-betに注目して検討したが、組み換え体の大量生産が難しいことが判明した。一方、ギンブナの3種類のIFNγ(IFNγ1-1,IFNγ1-2,IFNγ2)の組換え体の作製に成功した。IFNγもTh1細胞の分化・誘導において重要な役割を果たすことが知られていることから、IFNγによるTh1細胞の誘導及びキラーT細胞の活性化が期待できる。また、細胞内寄生細菌に対する感染防御におけるIFNγの役割の解明が進む。
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