2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯・亜熱帯原産の牧草に含まれるシュウ酸が反芻家畜に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
09F09121
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
川村 修 University of Miyazaki, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN M.M. 宮崎大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | シュウ酸 / 反芻家畜 / 牧草 / ミネラル代謝 / ルーメン微生物 / パラトルモン |
Research Abstract |
1)我が国の家畜飼養におけるシュウ酸中毒の潜在的危険性についての調査 沖縄地域の畜産農家において実際に給与されている牧草(13草種,35試料)を収集し,シュウ酸含量を測定して,当該地域の家畜飼養におけるシュウ酸中毒の危険性の程度を把握した。その結果,セタリアを除いてはすべて,シュウ酸含量が中毒危険レベルの3%以下であり,急性毒性については特に注意を要しないものと思われた。 2)シュウ酸摂取が家畜のPerformanceに及ぼす影響について 2つの飼養試験を実施した。<試験1>では,セタリアの乾草(シュウ酸含量1.34%)とギニアグラスの乾草(シュウ酸含量0.47%)を調製して緬羊に給与し,<試験2>では,ギニアグラス乾草にシュウ酸を3%添加して緬羊に給与し,体重,採食性,反芻胃内容物の性状,血液成分などを調べた。その結果,いずれの試験においてもシュウ酸の多摂取により血清中のCaレベルが有意に低下した。Mgやパラトルモンには影響がなかった。 3)シュウ酸の反芻胃内における動態について 反芻胃内におけるシュウ酸の消長についてin vitroルーメン微生物培養試験により検討した。その結果,ルーメン微生物は草体内の不溶性シュウ酸を分解しないこと,添加した可溶性シュウ酸も12時間の培養では実質的には分解されないことが観察された。 4)シュウ酸の血液中における動態について(in vitro試験) 血液中におけるシュウ酸の消長およびミネラル(Ca,Mg)との複合体形成について現在検討中である。
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Research Products
(3 results)