2010 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞作製を目的とした細胞内動態解析に基く効率的非ウイルス型遺伝子導入法開発
Project/Area Number |
09F09131
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WIJAGKANALAN Wassana 京都大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | デンドリマー / TATペプチド / エンドソーム脱出 / 核移行 / 遺伝子デリバリー / 非ウイルスベクター |
Research Abstract |
iPS細胞作製において、安全な繊維芽細胞への遺伝子導入法が重要である。効率的な遺伝子発現に向けた多機能性遺伝子デリバリーキャリアにおいては、プラスミドDNA複合体の粒子径縮小化、細胞取り込み、エンドソームからの脱出ならびに低細胞毒性が具備すべき機能である。リジンの分岐構造を有するリジンデンドリマーやリジンデンドリマーのリジン末端をアルギニンで修飾したアミノ酸デンドリマーがエンドソーム脱出能を有する効率的な遺伝子導入キャリアであることが報告されてきた。本研究では、昨年度までに開発した、アルギニン修飾リジンデンドリマーに膜透過能と核移行能を有するTATペプチドを結合させた遺伝子導入能に優れたTAT-PEGアミノ酸デンドリマー/プラスミドDNA/アミノ酸デンドリマー三元複合体を用いたマウス繊維芽細胞NIH3T3細胞への遺伝子導入機構の細胞内動態の解析を行った。rhodamine修飾pDNAを用い、細胞のエンドソーム膜をFITCで染色することで、細胞内局在の検証を行った結果、TAT-PEGアミノ酸デンドリマー三元複合体は、一部エンドソームに存在したが、細胞質内への移行が認められ、一部は核あるいは核膜への分布が認められた。一方、対照のアミノ酸デンドリマー三元複合体では、大部分がエンドソームに分布が認められた。また、プロトンポンプ阻害剤であるbafiromycin存在下、TAT-PEGアミノ酸デンドリマー三元複合体の遺伝子発現は有意に低下し、エンドソーム内においてpH応答的にpDNAを細胞質内へ移行させていることが示唆された。一方、遺伝子導入実験に用いた条件において細胞毒性を評価したところ、TAT-PEGアミノ酸デンドリマー三元複合体の細胞毒性はほとんど認められなかった。これらの知見は、安全な繊維芽細胞への非ウイルス性遺伝子導入キャリア開発において、有益な基礎的知見となることが期待される。
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