2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規対イオン-ポリアルギニン併用系を用いた光親和性標識による細胞内相互作用の検出
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09F09132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SILVIA Pujals 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | アルギニン / 膜透過ペプチド / 光アフィニティラベル / ジアジリン |
Research Abstract |
本研究の目的は細胞内での代謝や情報伝達、あるいは細胞内での分子相互作用を検出するための手法を開発することである。この目標達成のために、まず、細胞外環境での光反応性架橋の条件に関して確立することを目指した。トリフルオロメチルジアジリンフェニルアラニンを光反応基として用い、さらに架橋された膜関連分子の単離を容易にするためにビオチンを導入したアルギニン12量体(R12)をベクターとし、光架橋のための最適な条件を検討した。細胞膜と強い相互作用を示すR12ベクターを生理活性分子とし、光反応性修飾基に関しては、フェニルアラニン誘導体を用いたが、標準的なFmoc固相合成法でペプチド鎖の特定の位置に導入出来、有用であった。このペプチドとHeLa細胞とを様々な条件下にインキュベーションした後、紫外線照射を行い、細胞を溶解後架橋された分子を単離し、標的となったタンパク質を質量分析等で解析した結果、R12の内在化に関与している受容体として、HIVの感染共受容体でもあるCXCR4が明らかとなった。一方では、細胞内タンパク質による細胞膜の曲率誘導が近年注目されており、この曲率誘導を掌るペプチド配列を用いての細胞膜操作や機能性分子の細胞内送達が期待できる。本研究では、この基礎的知見を得るために、エンドサイトーシス関連タンパク由来の曲率誘導ペプチド4種を合成し、細胞膜ならびに人工脂質膜との相互作用に関して検討したところ、これらのペプチドの中には、細胞内に巨大液胞を発生させたり、細胞を縮ませる効果のあるものがあることを見いだした。
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[Presentation] Expressed Protein Ligation with Cell Penetrating Peptides : a means of endotoxin-free fusion proteins2010
Author(s)
Yu HH, Nakase I, Pujals S, Hirose H, Tanaka G, Katayama S, Imanishi M, Futaki S
Organizer
455th WE-Heraeus-Seminar, Biophysics of Membrane-Active Peptides
Place of Presentation
Physikzentrum, BadHonnef, Germany 招待講演
Year and Date
2010-04-13
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