2009 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の前頭前野で障害されている介在ニューロン種とその機能変化の同定
Project/Area Number |
09F09141
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 隆紀 Kanazawa University, 医学系, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GEORGIEV Danko 金沢大学, 医学系, 外国人特別研究員
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Keywords | 統合失調症 / 死後脳 / 分子生物学 / GABA |
Research Abstract |
マイクロアレイデータより、Synaptotagmin-2,Tachykinin-1,Nek-7,Cox6a2が、PV陽性ニューロンに特異的発現が予測されたが、実際に35-S ISH法によりParvalbumin(PV)mRNAの発現と同様のパターンを示したものは、Synaptotagmin-2(Syt2)とTachykinin-1であった。Tachykinin-1の発現レベルは低く、今後の解析が困難であることが予測された。そこで、Syt-2について、PVとの2重ISH法により、その発現を調べた。その結果、Syt-2を発現するニューロンの約20%がPVを発現し、PV発現ニューロンの約25%が、Syt-2を発現することが判明した。 CR陽性ニューロンに発現が予測されるCxcl-14,VIP,Tachykinin-3,Kit,Nr2f2については、Cxcl-14,VIP,Tachykinin-3がCR mRNAと同様の発現パターンを示した。この中で十分な発現レベルが検出されたCxcl-14について、CRとの2重ISH法を行った。その結果、Cxcl-14を発現するニューロンの約30%がCRを発現し、CRを発現するニューロンの約35%がCxcl-14を発現することが判明した。 以上の結果は、介在ニューロンにおける遺伝子発現パターンに、マウスとヒトの間の種差があることを示している。以上の結果は、介在ニューロンサブタイプにおける遺伝子発現パターンに、マウスとヒトの間の種差があることを示している。そこで現在は、文献等の検索からPVニューロンにおける特異的な発現と機能が推定されることに加え、ヒト大脳皮質においてもPVニューロンおよびSSTニューロンに選択的な発現を示す証拠がある遺伝子として、複数のカリウムチャンネルのサブユニット、転写因子、脱リン酸化酵素などを選択し、現在解析を行っている。
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