2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09143
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長塚 仁 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SATHI G.A. 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エナメル上皮腫 / 骨吸収 / sFRP / 培養 / AM-1 cell |
Research Abstract |
エナメル上皮腫は生物学的には良性腫瘍とされているが、顎骨浸襲性が高く、特徴的な多房性の骨吸収や骨膨隆を示すため、広範な顎骨切除を必要とする場合が多く、悪性腫瘍に準じた処置が行われている。これまでの研究から、腫瘍による骨吸収は骨のリモデリング機構の破綻、すなわち骨吸収及び骨破壊のメカニズムのバランスの異常が原因で生じると考えられている。エナメル上皮腫での骨吸収メカニズムについてはいまだ不明な点が多く、その解明はエナメル上皮腫の腫瘍増大抑制を目指した治療開発に大きく貢献すると考えられる。本研究は、エナメル上皮腫における骨吸収に関わる因子の同定と、骨吸収メカニズムを解明することを目的としたものである。 本年度は、骨形成とその制禦に関わる因子のWntシグナルに注目、その抑制因子であるsFRP-2をターゲットとして、エナメル上皮腫における蛋白発現を行った。エナメル上皮腫19症例を材料とし、ヒト抗sFRP-2抗体を用いた免疫組織化学を行ったところ、腫瘍細胞に強い蛋白発現を認めた。同様にヒトエナメル上皮腫から樹立した細胞株であるAM-1細胞でのwestern blottingでもsFRP-2蛋白発現が認められることを確認した。 以上の結果から、sFRP-2がエナメル上皮腫の骨形成を抑制する重要な因子である可能性が示唆された。 平成22年度は、sFRP-2の機能解析として、エナメル上皮腫細胞の分泌するsFRP-2蛋白が骨芽細胞に及ぼす影響について培養実験により検討する。さらには、sFRP-2のアンタゴニストであるWDr5について、蛋白発現及び機能解析を行う。
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Research Products
(5 results)