2010 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質表面に形成した生体ガラス被膜による象牙質知覚過敏症抑制法の開発
Project/Area Number |
09F09146
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAKRY AS 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / 生体ガラス / レーザー / 象牙質 / 細胞毒性試験 / 生体材料 |
Research Abstract |
生体ガラス45S5 bioglassの象牙質知覚過敏症に対する治療への応用についての基礎的検討を行った。すなわち、45S bioglassをペースト状にし、抜去歯の象牙質面に塗布し、硬化させたところ、象牙質と連続した強固な膜の形成が、走査電子顕微鏡および透過前歯顕微鏡による観察で確認された。また、塗布したペーストに一定の条件で炭酸ガスレーザー照射を行うと極めて短時間に膜が形成されるが、レーザー照射をしなくても、時間はかかるものの同様な膜が形成されることが確認された。45S5 bioglassによって形成された被膜によって、象牙質は完全に被覆され、象牙細管の開口は認められなかった。これによって、象牙質知覚過敏を引き起こす様々な刺激を、歯根面の露出した象牙質から遮断できることが期待される。また、この被膜は耐摩耗性に優れていることを、歯ブラシ摩耗試験によって確認した。一方、45S5 bioglassの生体適合性について、ラット歯髄由来の細胞を用いて、細胞毒性試験によって評価を行ったところ、グラスアイオノマーセメントや水硬性の仮封用セメントに比べて低い細胞毒性を示し、高い生体適合性を有することが明らかになった。以上の、in vitroにおける研究によって、象牙質知覚過敏症に対して、生体ガラス45S5 bioglassをペースト状にして塗布する治療が有効である可能性が極めて高いことが明らかとなり、今後の臨床的検討を行うに当たっての有益な知見をえることができた。
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Research Products
(3 results)