2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09206
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
斎藤 英喜 Bukkyo University, 文学部, 教授
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Keywords | 神楽 / 中世神楽 / 巫女 / 伊豆諸島青ヶ島 / 陰陽道 / いざなぎ流 / 民間信仰 / 民俗音楽 |
Research Abstract |
伊豆諸島南部の青ヶ島には古くから「神様拝み」という民間信仰が伝えられている。これは伊豆諸島界隈で発展した信仰であったが、現在はこの青ヶ島に残るのみである。元来神様拝みはいくつかの特徴を備えている。第一に巫女の役割を伝承する。第二に関連儀式の中に現在では貴重な中世における神楽が現れる。又は神様拝みの神楽には中世の祝詞、経文及び祭文が残されている。先行研究では現在受け継がれている中世の神楽として愛知県の花祭りが特に進んだ分野といえるが、その他いくつかの地方神楽の研究も知られている。比較的に青ヶ島の研究、記録は少ないが恐らく地理的に不便な位置にあるためだろう。 現在までの先行研究や私の調査、研究、分析から青ヶ島の神楽伝統継承は危ういとみる。また愛知県の花祭りの様に重要無形民俗文化財として保護されていないため青ヶ島の神楽の記録、研究の継続は貴重であり有意義のものである。本研究はこの青ヶ島の伝承を記録分析、インタビューを通して伝承者の神楽とそれに付随する関連儀式に於ける役割に光をあてた。 また本学教授である斎藤英喜氏との共同研究として、「伝播」という視点から独特の宗教展開をみせた青ヶ島と高知県のいざなぎ流「祭文」との関係から、比較研究も行っていく。 更に英語圏の学会で殆ど知られていない中世神楽を、青ヶ島というテーマを通して紹介する。 以上の課題を成し遂げるための過程を段階的に述べるならば、私が本学に所属されてから現在に至るまでの期間を準備期間と見ている。 この準備期間にはフィールドワークに備え、機械及び備品の購入、先行研究資料の収集と研究、本学の関連授業や講義への出席、そして論文投稿、出版活動に備えて以下の発表を行った。
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