2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石黒 一憲 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM EONSUK 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際私法 / 国際知的財産権 / 法の抵触 / 伝統的抵触法方法論 / 知的財産権の抵触法的分析 / 条約の抵触法上の位置づけ / 国際物品売買条約(CISG) |
Research Abstract |
本研究の目的は、伝統的抵触法方法論の現代的意義を直視し、最近国際的保護強化がより強調されている知的財産権につき、「法の抵触法」の観点から、更なる保護強化の妥当性を考えていくことであり、これを踏まえて、知的財産権の分野に限らず、他の法領域にまで視野を広げ、国際私法研究の出発点となる伝統的方法論の正しさを検証し、その体系化を試みることである。このような目標を踏まえて、21年度の具体的な研究成果としては、まず、知的財産権の抵触法的分析と関連して、博論での研究の引き続きとして、知的財産権に関する抵触法ルールとして提案されているアメリカ法律協会(ALI)による原則(principle)、ドイツのマックスプランク研究所による原則案(principle)、日本・韓国側の提案についての更なる検討を加え、抵触法の観点から、知的財産権に限局された形での世界共通の抵触法ルールがはたして実現可能なのかその必要性及び実効性はあるのかについて研究を行った。その研究成果は、「知的財産権の国際的保護と法の抵触」という題で、東京大学『法学協会雑誌』にて7回にわたり連載された。つぎに、抵触法方法論の体系化と関連しては、まず、ハードローとしての条約の抵触法上の位置づけ問題を中心に検討を行った。これについては、最近とくに注目を集めている国際物品売買条約(ウィーン売買条約、CISG)の場合を取り上げ「国内におけるヴィーン売買条約(CISG)の適用と国際私法との関係に関する一考察」という論文を書いた。この論文は、韓国又は日本において公表する予定にある。なお、韓国の国際私法学会、国際売買法研究会、研究の打ち合わせなどに参加し、今後の研究の方向性などを明確にした。
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Research Products
(7 results)