2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける経済発展の類型的特質の研究―在来的経済発展論の視角から
Project/Area Number |
09F09210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷本 雅之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 楓 東京大学, 大学院・経済学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 家具産業 / 建具産業 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、「在来的経済発展」の基盤とも再評価されている「地域社会」のあり方を検討するため、日本の備後地域に着目して戦前・戦後において形成された高級品婚礼家具備後府中産地を事例に、それをささえる制度的基盤の分析を進めている。主に戦後高度成長期におけるブライダル市場の急伸にともなう高級婚礼家具への強い消費志向を背景に、備後府中が全国有数の高級婚礼家具産地にまで急速に成長していったことなどが明らかとなっている。また、そうした府中高級婚礼家具産地の形成と成長にとって重要な条件として、技能労働者の調達・養成をめぐる産地中堅メーカーの主体的な活動が指摘できるが、この問題に関しては、政治経済学・経済史学会全国大会パネルディスカッション(2010年11月13日)で報告を行いました。以上の2つの研究論文はそれぞれ『経営史学』と『歴史と経済』に投稿し、現在査読を受けております。また、家具のほかに、2011年1月から建具産業に関する本格的調査を開始しました。そのなかで東京建具協同組合と全国建具連合会で戦前・戦後の膨大な第1次資料を入手することができました。ただし、3月11日の東北大地震と福島原発事故の影響により資料調査の中断を余儀なくされました。さらなる調査は新年度の課題となります。
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Research Products
(4 results)