2010 Fiscal Year Annual Research Report
台湾の経済発展における技術の継承と移転-機械産業の事例研究
Project/Area Number |
09F09211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田島 俊雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HONG Saoyang 東京大学, 社会科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 台湾鉄工所 / 台湾機械公司 / 台湾船渠株式会社 / 台湾造船公司 / 砂糖産業 / 技術移転 / アメリカ援助 / 資源委員会 |
Research Abstract |
2010年度の研究を通じ、戦前と戦後期の台湾における機械産業の全体像とその性格について捕えることができた。すなわち台湾の機械産業は砂糖産業の発展と軌を一にする。1930年代には中型の機械企業および鋼鉄企業が相次いで設立された。第二次世界大戦終了後、国民政府は台湾省行政長官公署を設け、台湾の接収任務を負わせた。その中で資源委員会は、1946年に台湾で比較的規模の大きかった日系企業の接収を始め、それを改組して、国営と国省合営の企業とした。 戦前の台湾機械産業において最大の規模を有した台湾鉄工所は1919年に創設され、本社は高雄に設けられた。一方で、戦前の台湾造船産業において最大の規模を有した台湾船渠は同じく1919年に創設され、本社は基隆に設けられた。1946年5月1目、植民地期の台湾船渠・台湾鉄工所・東光興業株式会社が合併して、資源委員会・台湾省政府が経営する公営企業として台湾機械造船公司が設立された1948年4月、資源委員会は、機械製造と造船への特化を目的に、台湾機械造船公司の高雄廠区と基隆廠区を切り離し、それぞれを台湾機械公司と台湾造船公司という別会社とした。1950年代以降の台湾機械公司の発展を見ると、朝鮮戦争が勃発するという背景の下、同公司はアメリカの援助により戦前の旧設備を更新し、1950年代から様々な機具を開発できるようになった。同時に、台湾機械公司は漁船、糖業機を生産し、政府の支持の下、順調な発展を遂げた。 本年度の研究成果は大きく二つ分けられ、機械産業については戦時、戦後期台湾機械産業の接収と変容に即し、一部は2010年8月に台湾南投で開催されたシンポジウムにおいて研究分担者によって報告された。造船産業については2011年3月に台湾において学術書の形式で、研究分担者による単著の形で出版された。
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Research Products
(6 results)