2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓関係におけるメタステレオタイプの正確さと重要性
Project/Area Number |
09F09214
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
村田 光二 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM JIYOON 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メタステレオタイプ / 日韓関係 / 集団間接触 / 集団ナルシシズム / 内集団びいき |
Research Abstract |
平成21年度はまず、自分が属する集団に対して外集団の人々が持っていると思われるイメージであるメタステレオタイプが、実際の外集団が自分の集団に対して持つステレオタイプと比べ否定的な傾向にあるかどうかの検討を行った。日本人大学生と韓国人大学生に北京オリンピック前のほぼ同じ時期に実施した調査データをもとに、日本人と韓国人がそれぞれお互いに対して持つメタステレオタイプの正確さを調べた。この正確さは、メタステレオタイプと外集団が持つステレオタイプの得点に有意な差がないことを指標とした。分析の結果、日本人と韓国人を通して、メタステレオタイプが正確ではなく、否定的な傾向にあることが確認された。さらに本データ分析の結果は、メディアへの接触が少ないほどメタステレオタイプの正確さが低いことを示し、メディア接触が正確なメタステレオタイプの認知につながる可能性を示唆していた。今後メディア接触の影響を調べることで、メタステレオタイプに関してより包括的な検討が可能になると考えられる。 次に、外集団成員との接触時におけるどのような状況要因がメタステレオタイプを活性化させるか、またそれによってどのような結果が表出するかを検討するための実験を計画した。 さらに、メタステレオタイプと同様、集団間関係に影響を与えると思われる変数として、内集団の偉大さについての非現実的な信念への心理的関与である、集団ナルシシズムの研究を新たにスタートさせ、文献研究、および尺度作成のための予備調査の準備を行った。
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Research Products
(1 results)