2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09224
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEONG KwangSik 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 素粒子物理学 / 標準模型 / 超対称性 / 素粒子論 / 超弦理論 |
Research Abstract |
近い将来ラージ・ハドロン・コライダー実験などによって素粒子の標準模型を超える物理が明らかにされていくことが期待される。どのような物理現象が実現しているかを実験と通して解明することにより,その背後にある物理原理を明らかにすることができる。逆に,高いエネルギーで実現しているであろう統一理論がもたらす現象を明らかにし,実験データと照らし合わせることで統一理論の姿を明らかにしていく研究も重要となる。超弦理論から導かれる低エネルギー有効理論を用いて,超対称標準模型をはじめとする標準模型を超える物理の理論的研究を行うのが,本研究の目的である。最近Vafa達によってF理論の低エネルギー有効理論の研究がされている。これによれば,その低エネルギー有効理論において北野たちが提唱しているスイート・スポット模型と呼ばれるゲージメディエーション機構が実現しており,現象論的におもしろい結果が得られている。研究代表者と研究分担者は,これらの研究に触発され,Vafa達の解析を批判的に再検討しているVafa達の解析の本質的な問題点を見出し,ChoiとJeongの最近の論文の手法に従い,正しく解析しなおしている。その結果低エネルギー有効理論を正しく導出することに成功しつつある。また,我々は北野たちのスイート・スポット模型の場合以外にもミラージュメディエーションの場合など興味深い超対称性の破れと伝播機構が実現することを見出した。これらの結果は現在論文としてまとめつつあり,近く発表できる見込みである。
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