2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09227
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 和雄 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TERESHINA Evgeniya 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁場X線回折測定 / 自発体積磁歪 / 磁場誘起歪み / 希土類鉄金属間化合物 / メタ磁性転移 |
Research Abstract |
LuFe_<16.5>Ru_<0.5>粉末試料について、強磁場低温X線回折実験をゼロ磁場と磁場5T、温度10-300Kの条件で行った。LuFe_<16.5>Ru_<0.5>の格子定数及び単位包体積の温度依存性は(Lu_<08>Ce_<0.2>)2Fe_<17>の振る舞いと似ていて、昇温とともにc軸が減少することを見出した。特に、この物質の磁気相転移温度である208Kよりもかなり高い温度までこのc軸の減少が確認され、これは短距離磁気秩序の領域が広いことを示唆している。得られた結果について、デバイ関数フィッテングを行った結果、磁気歪みに関する値が、λ^s_a〓0.8・10^<-3>及びλ^s_a〓4.9・10^<-3>、磁気体積効果はω_s〓7-5・10^<-3>と見積もられた。Lu_2Fe_<16.5>Ru_<0.5>の反強磁性-強磁性磁気相転移(メタ磁性転移)は体積膨張とともに起こり、このときの磁気歪みはλ_a〓0.3・10^<-3>、λ_c〓1.0・10^<-3>、ω〓1.7・10^<-3>(温度10K,磁場5T)に達することを確認した。自発体積磁歪と磁場誘起磁歪の値は、(LU_<0.8>Ce_<0.2>)_2Fe_<17>の場合に比べ小さく、これはLuFe_<16.5>Ru_<0.5>の小さな磁気モーメントに起因すると定性的に理解できる。今回の強磁場X線回折測定(微視的測定)から導かれた結果は、先に行った単結晶試料について行った熱膨張測定(巨視的測定)の結果と定量的に整合している。つまり、バルク試料の特性が微視的結晶構造の磁気-結晶構造変化に起因していることを明らかにした。得られた結果は、平成22年3月20日岡山大学で開かれた日本物理学会第65回年次大会で報告した。
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Research Products
(2 results)