2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気光学イメージングによるFeAs系超伝導体の臨界電流特性改善と対対称性の解明
Project/Area Number |
09F09228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
為ヶ井 強 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAN Shyam 東京大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Fe系超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁気光学イメージング |
Research Abstract |
Fe系超伝導体における臨界電流密度の定量的な評価と、その増強を試みるための準備として、高品質な単結晶および多結晶試料の作製を行った。手始めのターゲットとして、既に良質の単結晶が作製できることの知られているFeサイトをCoで置換したBaFe_2As_2およびFe (Te, Se)単結晶を自己フラックス法および除冷法で作製した。Coで置換したBaFe_2As_2単結晶に関しては、先行研究(Y.Nakajima, T.Taen, and T.Tamegai, Physica C470, S408 (2010).))と矛盾の無いT_cおよび特性を示す試料を広いドーピング領域にわたり得ることができた。Fe (Te, Se)単結晶についても我々のグループの先行研究(T.Taen, Y.Tsuchiya, Y.Nakajima, and T.Tamegai, Phys.Rev.B80, 092502 (2009).)と同程度の高品質の単結晶を得ることができた。多結晶試料に関しては最近注目されているAsサイトをPに置換したBaFe_2As_2単結晶の作製準備として、高品質の多結晶作製を試みた。Pが置換されにくいとの情報をもとに、原料をNb管に封入し1200℃以上の高温に保たれArを流した炉心管に挿入し作製した。その結果、T_cが30Kを超え、超伝導転移幅の狭い純良多結晶試料を得ることに成功した。また、同じ温度で最高温度から冷却する時間を長くして結晶粒の成長をねらったが、数十μm以上の結晶粒を得ることはできなかった。磁気光学イメージング実験の効率化・柔軟性を高めるため、LabVIEWでCCDカメラからの画像取得に加え、磁場印加・温度制御を自動的に測定する為のシステムを構築した。
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