2009 Fiscal Year Annual Research Report
光デバイスのための無機有機ハイブリッド高非線形光学媒質の研究
Project/Area Number |
09F09230
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
桂川 眞幸 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANTHONY John Kiran 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 非線形光学 / レーザー / 光デバイス / ハイブリッド / 高非線形媒質 |
Research Abstract |
周期的な構造を組み込んだ中空コアファイバー中に、共鳴構造をもった高非線形媒質を充填し、そのような系における非線形光学過程の研究をおこなうための準備を進めた。 ファイバーは、カゴメ格子状の断面構造をもち、中心部分が中空コアになっている。中空部分には様々な光学媒質を充填することができ、数十ミクロンの微小な領域に閉じ込められた非線形光学媒質と数メートルにわたる長い相互作用長を有する。狭い領域に光を閉じ込める効果と、その径を維持したまま長い相互作用長が同時に実現されることで、極めて効率のよい非線形光学過程が期待される。 今年度は、このようなアイディアに基づき、中空コアフォトニッククリスタルファイバー内における非線形光学過程の基本的な特性を調べるための実験装置をくみ上げた。ファイバー中に水素分子気体を充填した系を対象に、誘導ラマン散乱過程に関する初期的な実験を実施した。従来の自由空間における同様の現象に比べ、非常に低い励起強度(自由空間でおこなった場合のおよそ1/3000)で、極めて効率の良い誘導ラマン散乱過程を実現できることが確認できた。 この結果を踏まえ、さらに詳細を系統的に調べていくための、実験装置の改良を進めた。併せて、理論的な側面から、得られた実験結果を検討していくだめの準備を始めた。特に、ファイバーの構造が与える分散への影響、非線形光学過程への効果を、メリット、デメリットについて、系統的に解析し、理想的なファイバーの構造がどのようなものかを明らかにしつつ、その製作過程ヘフィードバックをかける作業を進めつつある。
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