2011 Fiscal Year Annual Research Report
光ディバイスのための無機有機ハイブリッド高非線形光学媒質の研究
Project/Area Number |
09F09230
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
桂川 眞幸 電気通信大学, 情報理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANTHONY JohnKiran 電気通信大学, 情報理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 非線形光学 / レーザー / 光デバイス / ハイブリッド / 高非線形媒質 |
Research Abstract |
これまで自由空間中でおこなわれてきたラマンサイドバンド光発生を、中空コアフォトニッククリスタルファイバー媒質中でおこなうことによって、格段に高い効率(およそ三桁)で実現できることを明らかにした(論文準備中)。効率が格段に上がったことで、これまで、液体窒素温度下(77K)でおこなわれていたこの動作を室温でおこなっても、従来に比べてほとんど遜色無い結果を得ることができるようになった.これは、開発した光源を他の様々な非線形光学物性研究に利用していくという視点でも極めて重要な進展である。ファイバーはカゴメ格子状の断面をもち、従来のフォトニッククリスタルファイバーに比べて、一桁以上広い透過帯域(400mm~2μm)を持っている。帯域は2オクターブ以上に渡るが、全ての波長に対して単一モード伝播特性が満たされるという極めて優れた特徴を有している。これは、このファイバー中で効率よく広帯域にわたる非線形波長変換を実現できることを意味しており、それによって、実際に、上記の結果を得ることができた。その後、これらの成果をアト秒域に達しうる極限的な超短パルス光発生に向けて発展させることを目的に、理論的な検討を開始した。アト秒域に至る超短パルス光発生が可能なことを、膨大かつ系統的な数値計算を実施して明らかにした(論文準備中)。残念ながら、研究期間の制限でこれを実験的に実証する段階にまでは到達できなかったが、理論の骨組みを構築し、かつ、それらをもとに実施した詳細な数値計算実験は、実際にこれを実験で実証するための準備として、充分なものとなった。
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