2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける異性体分析を用いたPCB越境汚染に関する研究
Project/Area Number |
09F09237
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹内 一郎 Ehime University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Tu Phuc Cam 愛媛大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | PCBs / 微量分析 / 異性体組成 / ベトナム / スズキ類 / 越境汚染 / 東南アジア |
Research Abstract |
本年度は、これまでにホーチミン市等の南ベトナム各地から採集した熱帯産のスズキ類の1種Lates calcariferの10個体を対象に、スズキ類のPCBs全209異性体の微量分析方法、特に、クリーンアップ方法等に関する検討を行った。クリーンナップに使用するアルミナ試薬の変更等の改良を行った結果、内部標準物質のPCBsの各塩素数の各異性体(IUPAC#3、15、28、54、118、153、180、194、208及び209)の回収率はいずれも約70%以上に向上し、塩素数が9~10の高塩素化PCBs異性体も安定して分析することが可能となった。本年度の予備分析の結果、南ベトナムのLates calcariferから全209異性体中約120の異性体が半数以上のLates calcariferから検出された。ΣPCBs濃度は1.3~8.4ng/g湿重量(53~320ng/g脂肪重量)であり、特に、ホーチミン市から採集したLates calcariferが高かった。ホーチミン市から採集したL.calcariferは高塩素の5~8塩素化PCBsの比率が高く、特に、#138、153等の異性体が優占した。一方、メコン・デルタのバクリュウ等から採集したLates calcariferは、低塩素の2~4塩素化PCBs、特に、#11、28等の異性体の比率が高かった。以上のように、本年度の研究によりLates calcariferのPCBs全異性体の微量分析を実施する基礎を確立することができた。
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