2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09240
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
中村 浩之 学習院大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Y. 学習院大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 炭素-窒素結合活性化 / 銅触媒 / 炭素-炭素切断反応 / プロパルギルアミン / 1,4-ジアミノ-2-ブチン / 脱アセチレン化反応 |
Research Abstract |
本研究では、炭素窒素結合活性化による高度分子変換反応の開発を目的とし、医薬中間体合成への効率的合成手法の確立を目的に研究を進めている。 23年度は、22年度に見出した銅触媒を用いたプロパルギルアミンの脱アセチレン化カップリング反応のスコープとリミテーションについて検討した。従来、銅触媒を用いるアセチレンの反応では、末端アセチレンの場合、ジメチルアミノピリジンのような塩基存在下、末端アセチレン同士のホモカップリング反応が進行することが知られている。しかしながら、プロパルギルアミンにおいては、ジメチルアミノピリジン存在下では、同様のホモカップリング反応が進行するのに対し、塩基非存在下では、一方のプロパルギルアミンからアセチレンが脱離し得られたイミニウムイオンに対し、もう一つのプロパルギルアミンが求核付加反応し、対称1,4-ジアミノ-2-ブチン誘導体が得られることを見出した。一般的な対称1,4-ジアミノ-2-ブチン誘導体の合成法は、ほとんど確立されていないことから、本手法は有機合成において医薬品中間体合成などに応用できる簡便かつ重要な合成法となることが期待される。さらに、銅触媒存在下、プロパルギルアミンと様々な末端アセチレンの脱アセチレン化を伴うカップリング反応が高収率で進行することを見出した。従来、炭素-炭素シグマ結合の切断は容易ではないが、本反応条件下では容易に切断され、アセチレン交換反応が進行した。この新しい反応は、有機合成化学において新しい領域を切り開くトリガーになると考えられる。
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